ぼくは日本のとある大手企業をお客様として、ハンガリーの会社と共に共同開発のプロジェクトに参加しています。そうするといろいろと見えてくるものがあります。
– 日本企業のよいところと悪いところ
– 日本人の残業が多くてストレスフルな理由
そして1年間、海外会社の外国人と一緒に働いてみて、日本人の忙しさと気分を楽にするヒントを見つけることができました。
日本人と外国人と働き方の大きな違い
まず、日本人と外国人の仕事の働き方の大きな違いは分業の考え方です。
海外会社は縦も横も仕事の責任が厳密に分かれています。ぼくが関わっている海外会社でいえば、下記のように担当が分かれています。
・開発エンジニア(ソフト開発を担当する技術者)
・プロジェクトマネージャー(スケジュール管理など、全体を統括)
よって、仕様エンジニアと会議しているときに開発観点の質問をしても、こんな答えが返ってきます。

そして開発エンジニアに開発全体のスケジュールを質問してみても、こんな答えが返ってきます。

これはぼくにとっては衝撃でした。日本企業的な考え方でいえば、他社から質問された場合、質問を受けた人が回答を社内で整理するケースが多いからです。
海外の会社では、仕事を本当の意味で分業できているのです。
なぜ、日本人は残業が多くストレスフルなのか
一方日本人は、縦も横も仕事の責任は分かれているようで、その実、境界は曖昧なことが多いです。 というより、役割としては明確に分かれていても、日本人の性格上、「これは私ではありません。◯◯に聞いてもらえませんか?」とは言えないから仕事の境界が曖昧になってしまうのだとぼくは考えています。
そして仕事を他に渡すのがうまい人は定時に帰り、そうでない人に仕事が集中し、残業が増えて余計な責任を負ってストレスフルになっていく。こんな構造が少なからずあると思うのです。大企業では特に。
少しでも残業やストレスを減らすために
ベストセラーとなった『嫌われる勇気』という本から、その対処法となる考え方を見つけることができました。
その考え方とは【課題の分離】です。
【課題の分離】とは、以下のような考え方です。
課題があるとき、その課題を解決するべきなのは、その課題が解決されなかったときに責任を負う人が解決すべき。そうでなければ手を出さず放っておくべき。
例えば、あなたに子供がいて、子供が全然勉強しないというケースを考えてみてください。これは誰の課題でしょうか?
これはあなたの課題ではなく子供の課題です。 最終的に「勉強しない」ことによる結果を引き受けるのは子供だから。逆に、そういった子供の課題に対して親であるあなたは手を出すべきではない、という考え方です。
ちょっと乱暴に感じた方はいませんか?正直、ぼくはそう感じました。ただ、仕事をたくさんふられすぎて参っちゃってる人にはとても参考にするべき考え方だと思うのです。
職場で課題の分離を使うには
職場で仕事を振られたとき、「その仕事ができてなくて最終的に困るのは誰?」を考えてみましょう。
あなたですか?その場合は頑張りましょう(笑)だけど、本当にそうでしょうか?
例えば、上司に報告用に作る資料なんかを頼まれたとしましょう。その資料を使ってプレゼンするのが上司なら、ダメダメな資料で困るのは上司です。「資料を作る」に対し本気で取り組まなければならないのは本来上司のはず。あなたがその資料の責任を負う必要はありません。
ホリエモンも認める考え方
ホリエモンの著書、『本音で生きる』でも、この【課題の分離】に触れています。以下引用です。
ベストセラーになった『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著、ダイヤモンド社)を読んだだろうか。この本は、一般向けにアドラー心理学を紹介した本だが、同書には、人間関係においても優れた洞察が書かれている。
たとえば、「『他人の期待を満たす』ような生き方をやめる」こと、「自分の課題と他人の課題を分ける」こと。 誰かがあなたについてどう思おうが、それは自分の問題ではなく、相手の問題だ。 他人が誰を嫌おうと、何を考えようと、それはあなたの人生にはかかわりのないことだ。一刻も早くそれに気づいて「放っておく」こと。
まとめ
会社員をやってると、本質的に自分が困るわけではないのにその仕事をふられてしまうことがよくあります。
時間が有り余っていればやってもいいと思いますが、時間は有限。 人に嫌われることを恐れずに、自分が本当に大切にすべきもの(自分の時間や心)を守るために、紹介した課題の分離という考え方をうまく使ってみて下さい。
以下、参考にした2冊の本へのリンクを載せておきます。真面目で仕事を背負い込み過ぎてしまう人には特にオススメですし、読み物としても面白いので興味があれば読んでみて下さいね。